こんにちは、カメライクブログの明です。
一眼レフカメラを買ったら、さあどんな写真を撮ろう?と考えたときに標準ズームレンズを使うのもいいですが、
背景がよくボケてテーマを強調する写真を撮りたいと思う人が多いと思います。
そういう時は、単焦点レンズを使ってF値(絞り値)を小さい値にしたうえで撮影するのですが、
そもそもF値(絞り値)って何?
実際にどれくらいボケるの?
単焦点レンズを使うときに気を付ける事って何?
というお悩みを解決すべく、
今回は初心者の方向けに「単焦点レンズでF値を最小にするとどんな写真が撮れるか」
というテーマで考えていきたいと思います。
F値・絞り値に関しては、いくらでも詳しい話がありますし、計算とかたくさんいろいろ説明しても良いのですが、
今回はとりあえずカメラを持っていって写真を撮るために使える情報のみを厳選してお届けしたいと思います。
ですのでできるだけ難しい話はせず、
「じゃあ一回撮影してみようか!」
みたいな気持ちになれる話にしたいと思います。
この記事はこんな疑問を解決したい方にお勧めです。
- F値(絞り値)って何?
- F値を最小にするとどれくらいボケるの?
- 単焦点レンズを使うときに気を付けることって?
いつもどおり、写真を見て楽しんでくださる方は大歓迎です。
では、早速見ていきましょう。
今回撮影するシチュエーション
今回はレストランで食べ物を撮影します
撮影取材で予約をしているならともかく、レストランなどで食べ物を撮影するときは、周りに迷惑がかからないように、注文したものを自分の席に座ったまま撮影することが多くなると思いますので、
今回は「自分の席に座りながら、目の前の料理を撮影する」というシチュエーションにしたいと思います。
どうしてこのシチュエーションにしたかというと、
単焦点レンズはズーム機能などがないので画角(写る範囲の広さ)が固定されているからです。
今回使う単焦点レンズと併せて説明しますね。
今回使用する単焦点レンズについて・・・
今回使用するレンズは、「Canon EF50mm F1.8 STM」です。
これはCanonユーザならかなり有名なレンズで、撒き餌レンズとか最近ではシンデレラレンズと言われていたりします。
わたしもこの撒き餌レンズに引っかかった魚の一匹なんですが、
安くてめちゃくちゃ綺麗に撮れる!というコスパ最高の単焦点レンズです。
商品名を見てわかる情報ですが、50mmという画角(写る範囲の広さで、小さいほど広く写る)、そして最小のF値(絞り値)が1.8というレンズです。
F値ですが、Canonで10万円前後の標準ズームレンズの最小値がF4だったりするので、単焦点レンズはかなりF値が小さいということがわかります。
そして50mmという画角は固定なので、ズームイン・ズームアウトはできません。
そしてこのレンズは、最短焦点距離が35cmです。
何のこと?と思うかもしれませんが、簡単に言いますと、
カメラから被写体(今回は食べ物)までの距離が35cm以上離れていないとピントが合いません。
これは感覚でわかると思いますが、あまり近づきすぎて撮影しようとするとできないよ、ということです。
それで広い範囲を撮ろうとすると、椅子に座ったままちょっとのけぞりながら撮影することになりますね。
後ろ向きに転倒しないように気を付けてください。
さて、それでは続いてF値(絞り値)の説明をしてみたいと思います。
F値(絞り値)って何?
まずF値(エフチ)と絞り値(シボリチ)という言葉は同じ意味なのでどちらを使っても大丈夫です。
そもそもレンズには撮影時どれくらいの光を取り込むかを決める「絞り羽」という機構があって、それが一番開くと(開放される)F値は最小、一番絞るとF値は最大ということになります。
開くと小さい数字、絞ると大きい数字・・・
感覚と数字が逆に感じる人もいると思いますが、こういうものだと思って覚えてください。
細かい説明はまたにして、覚えておいてほしいことは次の点です。
F値(絞り値)を小さくすればするほど・・・
- ピントを合わせた部分以外の場所がよくボケる
- 明るい写真が撮れる
今回は一つ目を覚えておくだけで十分です。
二つ目については、ひとまず夜の撮影や、暗い場所での撮影ではF値が小さいレンズのほうが有利なんだというくらいの理解で大丈夫です。
ではここからF1.8縛りで撮影してきた写真を使って説明していきますね。
F値を最小にするとどれくらいボケるの?
ではF値を1.8にするとどれくらいボケるんでしょうか?
一つ目の写真を見てください。
この写真は「とりコロッケ」に焦点を合わせていますが、手前の「合鴨の生ハム」と奥の「だし巻き卵」にはまったくピントが合わずボケた写真になっています。
カメラから同じくらいの距離にある「からあげ」にはピントが合っています。
料理名を連発するとだんだんお腹すいてきました( ´∀` )、、気を取り直して、、、
この「カメラから同じくらいの距離にある」というのが大切で、
F値が小さければ小さいほど、ピントが合う距離の範囲が薄っぺらくなります。
そしてこのピントが合う範囲のことを「被写界深度」と言います。
整理しますと・・・
ピントが合う範囲が薄っぺらい→ 被写界深度が浅い
ピントが合う範囲が広い→被写界深度が深い
つまり・・・F値が最小だと「被写界深度が浅い」ということになりますね。
じゃあ、感覚的にカメラからの距離がそんなに変わらなさそうなものが二つあると大体ピントが合うのか・・・次の写真を見てください。
私たちの目の感覚でいうと、「蔵出し原酒」と「合鴨の生ハム」は横に並んでいる気がしますが、料理のほうには全くピントが合っていません。それくらいピントの合う範囲が薄っぺらいので、(つまり、被写界深度が浅いので・・・)
これを良さとして活かす写真が撮れると単焦点レンズは最高に美しい写真が撮れます。
ちなみに撮影した中で、私はこの写真、すごく気に入っています。
じゃあ次の写真はどうでしょうか?
単焦点レンズを使うときに気を付けることって?
これはこれで綺麗な写真ですし、これで満足ならこれはいい写真です。
わたしもこの写真は気に入っています。
というぐらい、写真は自分が撮りたいものを 「撮りたいように」 撮影できていればそれでいいと思うんですが、
やはりF1.8縛りなので、被写界深度がとても浅いです。
それで、右から2本目の「ねぎま」にはピントが合っていますが、左端の「鳥つくね」はボケて、丸ボケまでできています。
もし、この皿の上にのっている串4本すべてにピントを合わせたいと思って撮影しているとすれば、もう少しF値を大きくしてあげるといいです。
最小F値が1.8であったとしても、F2.8やF4にも調整ができますので、いろんな値で撮影してだいたいの感覚をつかむと良いと思います。
必ずしもF値(絞り値)最小が良いとは限らない
これらのことから、単焦点レンズでボケ味を楽しむとしても、「いつもF値(絞り値)を最小にして撮影する」というのはまずい場合があるということです。
例えば、今回一品料理をたくさん注文しましたが、
「1枚の写真で並んでいる一品料理すべてが美味しそうに見える」ということを目的にするのであれば、
F1.8ではとても対応できません。
逆に「料理の中でこの部分を特に強調したい!」という場合にはF値が小さいレンズは強力なツールになると思います。
今回作例は無いのですが、ポートレートで人物を撮影する時などF値を最小で撮影すると、顔の向き次第では
右の目にはピントが合ってるのに、左の目にはピントが合っていない、ということが起こったりします。
そういう写真を撮りたいならいいのですが、一般的には両目にピントが合った写真のほうが多いと思いますので、F値を調整して自分が撮りたいように撮影してあげるといいです。
単焦点レンズではあまりしないかもしれませんが、複数の人を撮影するときにも注意が必要です。
3人で仲良く写ったはずが一人だけピントがバッチリあって、残りの2人は引き立て役・・・
F値を大きくして対応してあげましょう。
今回のまとめ
いかがだったでしょうか?今回は初心者の方向けに「単焦点レンズでF値を最小にするとどんな写真が撮れるか」
というテーマで考えてきました。
紹介した内容は一例ですので、時間がたっぷりある方はどんどんF値の設定を変えて撮影してみてください。
今回使用したカメラとレンズ
今回撮影に使用したカメラは、EOS 6D Mark II
今回撮影に使用したレンズは、Canon EF50mm F1.8 STMです。
Canonのこのレンズのコスパは最高です。
今回の記事は如何だったでしょうか。
皆さんの写真ライフとお出かけに参考になれば幸いです。
今回も見てくださってありがとうございました!
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