(作例あり) 夜景写真を美しくドラマチックにレタッチする方法|Canon DPP4 使用

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こんにちは、カメライクブログの明です。
前回に引き続きこの記事では、大阪駅前第三ビルの最上階から一眼レフで撮影した夜景を、美しくドラマチックにレタッチしていきたいと思います。

撮影したままのjpg画像でも十分に美しいのですが、
その中でどの色を強調させると綺麗かなど、考えてやっていくと写真に別の雰囲気を加えることができます。

今回はCanonユーザなら無料で使えるDPP4という現像ソフトの設定も合わせてお伝えしますので、
ぜひご自分で夜景をRAW画像で撮影してこんなレタッチもできるんだなという参考にしていただければ嬉しいです。

ハマりすぎるとレタッチする時間が楽しすぎて、時間を忘れますのでやりすぎ注意です。

この記事はこんな疑問を解決したい方にお勧めです。

  • 夜景写真のレタッチ方法がわからない!
  • 夜景写真を美しくレタッチするにはどうすればいい?
  • DPP4を使ってどこまで夜景写真のレタッチができる?
  • DPP4の色調整タブの使い方がよくわからないから教えて!

いつもどおり、見て楽しんでくださる方は大歓迎です。
では、早速やっていきましょう。

目次

夜景写真を美しくレタッチするにはどうすればいい?

まず、写真の中に含まれる色味を確認する

まず、夜景写真を美しくレタッチするには、その写真の中に含まれている色味を確認します。
どの色が強く出ているか、どの色が余分な色か。
RAW現像の際のホワイトバランス調整によっても色味はある程度変えられるので、そもそもを赤みが強い写真にしたり青みが強い写真にすることも可能です。まずこれがベースになります。
そして強い色味を強調し、余分な色をできるだけ除いてやると美しくレタッチできます

では、前回撮影したままの写真で少し考えてみましょう。次の夜景写真を見てみてください。どの色味が強いでしょうか?

撮影時JPG ISO100・F値8・シャッタースピード10秒

撮影したままのjpg画像でも十分綺麗ですね。
撮影方法についてはぜひ前回の記事を参考にしてみてください。

全体を眺めてみるとこの写真での強い色味は、オレンジですね。
カメラは雰囲気優先で撮影していますが、すこし赤みが強い写真になっています。
あとビル群があってその窓ガラスが褪せた水色のような色味なので、そちら側の色を強調したい場合には先にホワイトバランス調整を使って青色を整えたあとでレタッチしたほうが綺麗になりそうです。

こんな感じで、ある程度写真を見てどんなふうに仕上げたいかまとまったら、DPP4を使ってレタッチしていきます。
まずオレンジ単色でレタッチしていきます。

オレンジ単色でのレタッチ

まず、こんな仕上がりになりますよ、というオレンジ単色イメージでのレタッチ作例です。下の画像をご覧ください。

オレンジ単色イメージでのレタッチ作例

単色でのレタッチはドラマチックな演出をするのにかなり使えます。
DPP4のレタッチで今回使ったのは、「色調整」のタブです。
このタブで色味を強めたり弱めたり、違う色味に変えたりと色に関する調整が行えるタブです。
設定内容を見てみてください。
下の画像は左側が設定をする前、右側が設定をした後の画像となります。
これを見るとオレンジ単色イメージと言っても、単純にオレンジだけを使っているわけではないことがわかります。

左設定なし 右オレンジを強調する色調整 タップで拡大できます

それぞれの色に対して、H/S/Lが並んでいますが、これは、色相(Hue)、彩度(Saturation)、輝度(Lightness)の3つの要素のうち、必要なものを強めたり弱めたりできる仕組みになっています。

これだけ見ると「どういう意味?」と静かにタブを閉じたくなりますが、
やってみると意外と簡単ですので安心してください!

かなりざっくり言うとすると、
Hは色味の調整、Sは鮮やかさ・濃さの調整(これを最低にするとモノクロになる)、Lは明るさの調整
と考えてもらってとりあえずは大丈夫です。あとはゲージを右へ左へ動かしていくとわかってきます。
今回のレタッチではLに該当する部分は使っていません。HとSだけを使って実現します。

まずSが-10.0になっているものは完全にモノクロ化しているので、その部分の色は写真から取り除かれた状態になります。
ですから、イエロー・グリーン・ブルー・パープルについては色を消したことになります。
マゼンダは消してしまうとビルの上の赤いライト等が薄くなってしまうので雰囲気を保つために残しました。

今回強調したいオレンジはSを+3にしています。あまりやりすぎるとそこに絵具を上から塗ったような、かなり不自然な状態になってしまいますので写真を見ながら調整します。

そして、今回のレタッチでポイントになるのがレッドです。
レッドのSを+7にするというのはまあいいとして、Hを+20.0と右側に全振りしています。

これは、「レッドの色味をできるだけオレンジ色に寄せている」という意味です。
元画像で見ていただくとわかりますが、中央のビルの左側の道路に車のテールランプがレーザービームのように赤い色味を発しています。これを赤からオレンジ色に近づけて単色化しているということです。

この意味が理解できるとレタッチがやりやすいと思います。
これをわかりやすくするために、逆にオレンジをレッドに近づけるとどんな感じの写真になるか見てみてください。

レッド単色でのレタッチ

こちらも先に設定後の画像を確認してみてください。下の画像です。

レッド単色イメージでのレタッチ作例

かなり世界観が出た、ある意味で一番ドラマチックな写真が完成しました。
見ていただきたいのは、オレンジだったところがすべてレッドの色味に寄せられている、ということです。

今回やっているレタッチは「色を塗る」という作業ではなく、あくまで写真が持っている色味を強調するということしかしていません。それで、オレンジの部分を赤で上塗りしたのではなく、写真が持つオレンジの色味を赤色に寄せたと考えるのが、より適切かなと思います。設定値を確認してみてください。下の画像です。

レッドを強調する色調整 タップで拡大できます

赤枠で囲ったレッドとオレンジの部分だけ変更されていますが、今度はオレンジのHを-20と最低にして、できるだけレッドに寄せています
Sについては微妙に調整していますが不自然にならない程度の色に落ち着くように調整してみました。Sは感覚の部分でもあるので、写真毎に左右にゲージを動かしてみて、好みの位置を見つけるといいと思います。

ブルー単色でのレタッチ

色調整タブのHの扱いがわかったところで、次の色に進みたいと思います。
今度はブルー単色イメージでのレタッチをしてみます。最初に写真の中に含まれる色味を見極めるところでお話ししていましたが、ブルーを強調するにはちょっと色褪せている気がするので、まずホワイトバランス調整をかけたうえで色調整をしたいと思います。
こちらも調整がすべて終わった後の作例から見てみてください。下の画像です。

ブルー単色イメージでのレタッチ作例

透き通るような都会的な雰囲気が出ている写真になりました。
まず、この写真を見て押さえておいてほしいのは、先ほどのオレンジやレッドで強調されている位置ではないところが青く強調されているということです。ですので色を置き換えたわけではなくて、その写真が持っている色味を強調したレタッチということです。

続いて設定値を見ていただきますが、基本的な設定タブのホワイトバランス調整をした後、色調整タブを使ったので両方を載せています。下の画像を見てください。

ブルーを強調する色調整 タップで拡大できます

まずホワイトバランス調整からです。
色温度設定にして3500Kに調整しました。
色温度は数字が小さいほど青っぽくなり、数字が大きいほど赤っぽくなります。
今回も体感したのですが、夜景の写真は少し色温度を調整するだけでもかなり写真全体の色味が変わるので不自然にならないようにします。
色温度を触るときに気を付けるのは「青みを強くしすぎないこと」です。
青みを強くするのはあくまで色調整タブのお仕事なので、全体が少し青みがかるように調整します。
どちらかというと青みを強くするというよりは、「透明感を出す」というくらいに考えていたほうがうまくいくと思います。

続いて色調整タブです。
オレンジやレッド単色レタッチのところである程度分かると思いますが、ブルー単色なので、レッド・オレンジ・イエロー・グリーン・マゼンダはモノクロ化(Sが-10)にしています。
そのうえで、ブルーを中心に色味を強調するために、アクアとパープルの色味をブルーに寄せて、それぞれのSの値を高く設定しました。

オレンジとブルー2色のレタッチ

単色も綺麗でしたが、オレンジとブルーというように対照的な2色を使ったレタッチも美しいです。
ちょうどブルーアンバーという美しい宝石がありますが、補色は目を引く色の取り合わせですね。

実は、既にオレンジ単色とブルー単色でレタッチしているので、それぞれの設定を混ぜるだけで実現できてしまいます。
では、完成した作品から見てみてください。下の画像です。

オレンジとブルー2色イメージでのレタッチ作例

ブルーで強調されている部分とオレンジで強調されている部分がちょうど合わさってお互いを引き立たせるドラマチックな写真になっています。こういうレタッチのやり方がものすごく流行った時期があったんですが最近はどうなんでしょうか。
流行りとは関係なくいつみても美しいと感じます。

次にDPP4の設定です。下の画像の設定は初見だとややこしく感じるかもしれませんが、
すでにこの記事でオレンジ単色でのやり方ブルー単色でのやり方を終えた後なので、よくよく見るとそれが合体しただけの設定になっているのがわかってもらえると思います。

ブルーとオレンジを強調する色調整 タップで拡大できます

色調整タブについてはレッドをオレンジに寄せ、アクアとパープルをブルーに寄せたうえで、
ちょうどよい状態になるようにSでそれぞれの色味を強めました。
ドラマチックな写真を目指すというのも一つのテーマだったので、基本的な調整のタブでシャドウを-3と強めることで全体的な引き締めをはかっています。

今回のまとめ

いかがだったでしょうか?
今回はCanon DPP4を使って、夜景写真を美しくドラマチックにレタッチする方法を作例の写真と設定の画像を見ながら紹介してきました。

紹介した内容は一例ですので、時間がたっぷりある方はどんどん設定を変えてDPP4レタッチを楽しんでもいいと思います。
レタッチをする際の参考にしていただければ幸いです。

今回使用したカメラとレンズ

今回撮影に使用したカメラは、EOS 6D Mark II
今回撮影に使用したレンズは、Tokina opera 16-28mm F2.8 FF です。
と言っても今回は前回撮影した写真を使ってレタッチをした記事ではあるんですが、どんなレンズを使ったのかの参考に載せたいと思います。よければ前回の記事もぜひご覧ください。

今回の記事は如何だったでしょうか。
皆さんの写真ライフとお出かけに参考になれば幸いです

今回も見てくださってありがとうございました!

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • DPPでの色調整のやり方を探していたんですがこのサイトで詳しくとりあげられていたので、よく分かりました!
    Canonカメラ使ってますので、参考にさせていただきます(^^)

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